新NISAは途中でやめても大丈夫?積立停止・売却・引き出しの正しい対処法ガイド
  • 「新NISAを始めてみたけれど、なんだか不安になってきた」
  • 「このまま続けて大丈夫なのかな…?」

こんな気持ちになったことはありませんか?

実際に、ライフスタイルの変化や相場の下落、急な出費などによって、NISAの積立を途中で止めたくなるタイミングは誰にでも訪れます。

しかし、焦って解約や売却をしてしまうと、非課税メリットを活かしきれなかったり、損失を確定させてしまうリスクもあるため注意が必要です。

このページでは、「新NISAは途中でやめても大丈夫なのか?」という疑問に対して、制度の仕組み・積立停止や売却の方法・やめ時の見極め方を分かりやすく解説していきます。

一時的にやめる場合・完全にやめる場合、それぞれに適した判断軸をお伝えしますので、不安になっても“冷静に行動できる知識”がきっと見つかります。

新NISAは途中でやめてもいいの?よくある誤解と正しい理解

「新NISAを始めたけれど、やっぱりやめたくなってきた…」
「積立を途中で止めたら、ペナルティがあるんじゃないか?」

そんな不安を感じている方は少なくありません。しかし、新NISAの制度上、途中でやめること自体にペナルティはありません

ここでは、よくある誤解を整理しながら、「途中でやめる」とは具体的にどういうことなのかを明確にしていきましょう。

誤解①:積立を停止すると非課税枠が消える?

答え:消えません。

NISAの非課税枠は、年間360万円(つみたて枠+成長枠)ですが、途中で積立を停止しても、その年の非課税枠が消えるわけではありません

ただし、停止している間は、未使用分の枠が余るだけで、翌年以降に繰り越すことはできません。

📊 積立停止時の具体例

年度つみたて枠(最大)実際の積立額未使用分
2025年120万円60万円60万円(翌年には繰り越せない)
2026年120万円100万円20万円

注意点:

「今年の枠が消える前に、どれだけ積み立てるか」を計画しておくことで、無駄を防げます。

誤解②:途中で売却すると損する?

答え:場合による。

新NISAで購入した金融商品を途中で売却しても、その売却益(または損失)には税金がかかりません

ただし、売却してしまうと、その年の非課税枠は復活せず、再利用はできません。

💡 売却時のチェックポイント

  • 📉 価格が下がっている時に売ると元本割れの可能性あり
  • 🏦 生活資金に困っている場合は、一部売却も選択肢
  • 🔄 一時的な価格下落なら、売らずに持ち続けるのも手

🔗 関連記事:

👉 新NISAの売却タイミングはいつがベスト?
→ 売るべきか持つべきかのポイントを解説しています。

誤解③:一度やめると再開できない?

答え:再開可能です。

NISA口座は途中で積立を停止しても、再開の手続きは不要です。

ただし、その年の未使用分の枠は翌年には繰り越せないため、「いつ再開するか」の計画が重要です。

積立停止・売却・引き出しの具体的な手順と注意点

新NISAでは、「積立を一時停止する」「購入した商品を売却する」「資金を引き出す」などの選択肢が用意されています。

ここでは、それぞれの具体的な手順と注意点をわかりやすく解説していきます。

積立停止の手順と注意点

📌 手順:

  1. 証券会社の取引画面にログイン
    • マイページまたはNISA専用ページから操作
  2. 積立設定の確認
    • 「積立設定」または「積立変更」メニューを選択
  3. 積立金額の変更・停止を選択
    • 一時停止または金額を「0円」に設定
    • 一時停止しても、そのまま再開可能

💡 注意点:

  • 停止した分の非課税枠は消える:
    例:年間120万円の枠で60万円積立した後、停止した場合
    → 未使用の60万円は翌年に繰り越せない。
  • 手数料や手続き料は発生しないが、再開時の設定忘れに注意:
    設定を「0円」のまま放置してしまうケースが多いため、再開する際は手続き漏れを防ぐためにも、リマインダー設定を推奨。

売却の手順と注意点

📌 手順:

  1. 証券口座の「保有資産一覧」ページを開く
    • 各商品ごとの評価額や含み損益が確認できる
  2. 売却したい商品を選択
    • 具体的な数量を指定(例:100口だけ売却)
  3. 売却注文の確定
    • 売却価格の確認 → 成行注文または指値注文を選択
    • 売却手数料の有無も確認しておくこと

💡 注意点:

  • 売却益は非課税:
    NISAで購入した商品を売却しても、利益に対する課税は発生しない。
    ただし、売却後の枠は復活しないので、再購入は課税口座で行うことになる
  • 損失が出た場合は「損益通算」ができない:
    一般口座や特定口座での損益通算は適用されないため、損失が出た時点で損失確定となる。

引き出しの手順と注意点

📌 手順:

  1. 証券口座の「出金」ページを開く
    • 出金可能額を確認
  2. 出金方法の選択
    • 銀行口座への振込先を選択
    • 出金額の指定(売却済みの現金残高分のみ)
  3. 振込手数料の確認
    • 無料または指定銀行で優遇がある場合も

💡 注意点:

  • 新NISAで保有している商品はそのままでは引き出せない:
    まず「売却」して現金化する必要がある。
  • 再投資したい場合は課税口座で:
    引き出した現金を再度NISA口座で運用することはできない。
    ただし、翌年の非課税枠がある場合は、新たに積立設定を行えば再投資は可能。

途中でやめるべきか?継続するべきか?判断基準とケーススタディ

新NISAを始めたものの、「このまま続けるべきか」「途中でやめるべきか」で迷う方は少なくありません。

実際に判断する際は、収入状況・生活の変化・相場環境など、複数の観点から冷静に見極めることが重要です。

ここでは、代表的なケースごとに途中でやめるべきか、継続すべきかの判断基準を整理していきます。

ケース①:収入が減少した場合

📉 状況例:

  • 収入が一時的に減少(育休・転職・失業など)
  • 月々の積立額が家計を圧迫している

判断基準:

継続する場合一時停止する場合
生活費に余裕があり、余剰資金が確保できている場合生活費の圧迫感が強く、貯蓄や生活防衛資金が不足している場合
長期保有のつもりで積立している商品が含み益を出している場合収入回復の見通しが立たない場合は、一時停止して再開を検討

💡 アクションプラン:

  • 一時停止しても非課税枠は残るため、無理せず家計の立て直しを優先
  • 収入が回復した時点で積立額を見直し、再開タイミングを設定
  • クレカ積立や少額投資(1,000円〜)で最低限の積立を継続する手もあり

ケース②:相場が下落した場合

📉 状況例:

  • 投資している銘柄が大きく値下がりしている
  • 含み損が発生している

判断基準:

継続する場合売却する場合
投資期間がまだ長期間(5年以上)残っている場合生活資金が急遽必要で、現金化を優先したい場合
保有商品がインデックスファンドや成長株で、長期的な成長が期待できる場合元本確保が最優先の状況で、損失が許容範囲内の場

💡 アクションプラン:

  • 含み損が発生している場合でも、焦って売却せずにホールドが基本
  • NISAの非課税期間が残っている間は、「積立金額を減らして継続」や「ドルコスト平均法を活用」して損失を埋め合わせる選択も考慮
  • どうしても売却したい場合は、最小限の口数だけを売却して残りはホールドすることで、再起の余地を残せる

ケース③:生活資金が急遽必要になった場合

💰 状況例:

  • 医療費や引っ越し費用など、急な出費が発生した

判断基準:

継続する場合引き出す場合
生活防衛資金がすでに確保されており、NISA資金に手を付けなくても良い場合生活資金が不足しており、借金を避けるため現金化したい場合
保有商品が高配当株やETFであり、定期的な分配金を得られている場合長期的な投資計画が一時中断しても問題ない場合

💡 アクションプラン:

  • 出金時には、売却手数料・振込手数料の確認を忘れずに
  • 再投資を見据えて、一部のみ売却・残りはホールドの選択も検討
  • 売却後も投資意欲が残っている場合は、再開のタイミングを事前に計画しておくと◎

🔗 関連記事:

👉 新NISAの出口戦略完全ガイド|60代から考える取り崩しと現金化の正解
→ 「どのタイミングで売却すべきか」「引き出し時の注意点」を網羅的に解説しています。

まとめ:途中でやめる際の賢い選択肢と再開のポイント

新NISAを途中でやめる、あるいは積立を一時停止することは制度上は問題ありませんが、実際には適切な判断をするための知識が欠かせません。

ここでは、「やめる・停止する・再開する」際の賢い選択肢と再開時のポイントを整理しておきましょう。

やめる際の賢い選択肢

📍 1. 完全にやめる場合

  • 生活資金の確保が最優先:急な出費が発生した場合や収入が途絶えた場合、NISA枠にこだわらず、資金確保を優先しましょう。
    • ✅ 損失が出ている商品は「最低限の数量だけ売却」して生活費を補填
    • ✅ 利益が出ている商品は「一括売却」で確実に現金化

📍 2. 一時停止する場合

  • 非課税枠の無駄遣いを防ぐために、年間枠を確認:
    例えば、積立枠が120万円のうち、60万円分だけ積み立てた状態で停止してしまうと、残りの60万円分の枠は翌年には繰り越せません。
    • ✅ 停止中も積立額を0円にするのではなく、「1,000円だけ継続」するなど最小限の積立設定を維持
    • ✅ 収入が回復した際に、月々の積立額を再調整して、未使用枠を活用

📍 3. 売却して資金化する場合

  • 出口戦略をあらかじめ計画しておく:
    積立を停止した場合でも、非課税枠で保有している商品は売却可能です。
    しかし、「売却しても再購入は課税枠になる」ため、売る前に確認しておくべきポイントは以下の通り:
    • 値上がりしている商品: 売却益を確定して現金化
    • 値下がりしている商品: 一部売却して損失を最小限に抑える
    • 含み益が出ている商品: 売らずにホールドして利回りを継続

再開のポイントと計画の立て直し

新NISAは一度停止しても、再開のハードルは低いのが特徴です。

以下のポイントを押さえて、効率的に再開の計画を立てましょう。

📍 1. 再開のタイミングを見極める

  • 収入が安定したタイミングで再開:
    無理に再開せず、「収入が一定額確保できたタイミング」を狙うことで、再度中断せずに続けやすくなります。

📍 2. 積立額の見直し

  • 以前の積立額をそのままにせず、生活費とのバランスを再確認:
    • 収入が回復したが、まだ不安が残る場合: 月々1,000円〜3,000円の少額積立で再開
    • 収入が安定して余剰資金が増えた場合: 前回の積立額を少し増やして、残りの枠をフル活用

📍 3. 商品選定の再検討

  • 相場環境や個人の目標に応じて、投資商品を再選定:
    • 安全重視なら: インデックスファンドや国債ETFで再開
    • 収益重視なら: 成長株や高配当株で再投資

再開をスムーズにするためのポイント

  • 📆 再開予定のスケジュールを決めておく:
    例:「収入が月25万円を超えたら再開」「子どもの学費が貯まったら再開」など
  • 📝 証券会社の「積立設定リマインダー」機能を活用:
    設定を「0円」にしてしまった場合でも、再開時の通知設定をオンにしておくと忘れにくい

🔗 関連記事:

👉 新NISAの始め方完全ガイド
→ 口座開設・積立設定の方法を詳しく解説

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