子どものためのNISA活用法|高校生・大学生の親が考える教育資金の新常識

「うちの子、もうすぐ大学…教育資金、これからどう準備しよう?」

そんな悩みを抱える高校生・大学生の親御さんにとって、今、注目すべき制度が新NISAです。

これまで投資に縁がなかった方でも、少額から非課税で資産を育てられる仕組みが整っており、特に“教育費の第二段階”を考える世代にはピッタリの活用法があります。

本記事では、学費支出のタイミングとNISAの使い方をどう設計すべきか、どんな商品が向いているのか、将来の家計に無理なく備える“教育資金の新常識”を解説します。

目次
  1. 教育費は「高校卒業後」が本番|親世代が直面するリアル
    1. 📊 大学進学後にかかる費用の現実
    2. 👛 「貯金だけでは足りない…」家庭の実情
    3. 🧠 だからこそ「NISAを教育資金の一部として活用する」という選択肢を
  2. 新NISAで教育資金を備えるという選択肢
    1. 🏦 新NISAは“教育資金準備”と相性がいい理由
    2. 💬 「教育資金に投資なんて危ないのでは?」という不安
    3. 🧠 “数年後に必要なお金”には「つみたて投資枠」が最適
  3. ジュニアNISAはもう使えない?今できる最善策
    1. 📉 ジュニアNISAは終了済み
    2. 🧭 今は“親名義のNISA”で備えるのが王道
    3. 👪 「子どもの将来のために」という想いを“数字”に変える方法
  4. 教育費目的におすすめの投資信託とは?
    1. 教育資金に向いている投資信託の条件
    2. 🌟 人気の投資信託例(2025年時点)
    3. 💬 「元本割れが怖い…」という方へ
  5. 積立スケジュールと取り崩し時期の設計例
    1. 📅 教育資金×NISA活用モデル(高校2年の親がスタート)
    2. 💡 積立設計のコツは「2〜3年前倒しで始める」
    3. 🔁 取り崩しのタイミングと注意点
  6. 奨学金との違い・併用戦略を考える
    1. 🧾 奨学金とNISAの違い
    2. 💡 奨学金とNISAの“いいとこ取り”戦略
  7. まとめ|NISAは“子どもへの仕送り”を資産運用で実現するツール
    1. 📌 本記事のまとめ
    2. ✨「貯める」ではなく「仕組みで備える」時代へ
    3. ✨「貯める」ではなく「仕組みで備える」時代へ

教育費は「高校卒業後」が本番|親世代が直面するリアル

「高校まで何とかやりくりしてきたけれど、大学からが本番だった――」
そんな声を多く耳にします。実際、教育費の負担は“高校卒業後”から一気に加速します。

📊 大学進学後にかかる費用の現実

文部科学省のデータによると、子ども一人あたりの進学にかかる費用は以下の通りです:

区分公立私立
入学金・授業料(4年間)約250万円約400万円〜600万円
自宅外通学(生活費)年間100万円〜120万円年間100万円〜120万円

📌 合計すると、自宅外で私立大学に通う場合、トータルで800万円近くかかるケースも珍しくありません。

👛 「貯金だけでは足りない…」家庭の実情

  • 教育費専用の貯金が間に合わない
  • 親の老後資金とバッティングしてしまう
  • 下の子の教育費と時期が重なる

このような事情を抱え、「奨学金やローンでの対応」を選ばざるを得ない家庭も少なくありません。

🧠 だからこそ「NISAを教育資金の一部として活用する」という選択肢を

教育費は、「今すぐ」ではなく、「数年後に必要な大きなお金」。

このタイミングを見据えて、今からNISAで少額ずつ育てておくことで、将来の家計負担を分散できます。

次は、その活用法を具体的に見ていきましょう。

新NISAで教育資金を備えるという選択肢

これまで「教育資金=貯金」というイメージが強かった日本の家庭にとって、投資で備えるという発想はまだ一般的ではないかもしれません。

しかし、教育費が必要になるまでに数年の猶予があるなら、「新NISA」を活用した資産形成は非常に有効な選択肢となります。

🏦 新NISAは“教育資金準備”と相性がいい理由

特徴教育費との相性
利益が非課税運用益がそのまま使えるので効率的
途中売却が可能必要なタイミングで取り崩せる
積立額が自由に変更可家計状況に応じて柔軟に運用可能
投資信託中心長期・分散型で教育費の準備に適している

📌 定期預金よりも増える可能性があり、学費のタイミングに合わせて設計しやすい制度と言えます。

💬 「教育資金に投資なんて危ないのでは?」という不安

たしかに、投資には元本割れリスクがあります。しかし、

  • リスクの少ない投資信託を選ぶ
  • 3年以上の運用期間を確保する
  • 分散投資を心がける

などの工夫をすることで、大きく減るリスクを抑えつつ、預金以上の利回りを狙うことが可能になります。

🧠 “数年後に必要なお金”には「つみたて投資枠」が最適

  • 「高校2年から始めて、大学進学時に引き出す」
  • 「今は大学1年。2〜3年後の後期学費のために備える」

こうした具体的な“出口(使い道と時期)”がある投資には、つみたて投資枠での計画的運用が特に効果を発揮します。

ジュニアNISAはもう使えない?今できる最善策

かつて教育資金の形成手段として注目された「ジュニアNISA」。

しかし、制度はすでに2023年末で新規受付を終了しており、現在は利用できません。

では、今から教育費を準備するには何が最善なのでしょうか?

📉 ジュニアNISAは終了済み

項目内容
制度の開始2016年
新規口座開設2023年で終了
運用期間18歳まで(2024年以降は制限撤廃)
利用条件親が代理運用。原則、18歳まで払い出し不可(※一部改正あり)

ジュニアNISAは制度の設計上、「資金拘束」や「柔軟性のなさ」から敬遠されていた側面もありました。

🧭 今は“親名義のNISA”で備えるのが王道

現在の新NISA制度では、子ども名義ではなく「親自身の口座」で教育資金を準備する方が実用的です。

その理由は:

  • 🔓 いつでも引き出せる自由度
  • 💰 投資枠が拡充(年間最大360万円)されており十分な準備が可能
  • 📱 ネット証券なら管理もスムーズ

📌 子どもが大学に入るタイミングに合わせて「つみたて投資枠」で計画的に積み立て、 「成長投資枠」で運用成果を狙う、といったハイブリッド運用も可能です。

👪 「子どもの将来のために」という想いを“数字”に変える方法

教育資金を貯める行動は、親としての思いやりを“具体的な行動”に変える手段です。

🧠 筆者のFPとしての経験からも、「教育資金こそ運用期間が読める理想的な資産形成対象」であると実感しています。

教育費目的におすすめの投資信託とは?

「教育費のために投資信託を選ぶ」といっても、どれを選んでよいかわからない…

という声はとても多く聞かれます。

ここでは、“教育資金に適した条件”を満たす投資信託の特徴と具体例をご紹介します。

教育資金に向いている投資信託の条件

チェックポイント理由
インデックス型(全世界 or 米国)値動きが比較的安定しており、実績も豊富
信託報酬が低い(年0.2%以下)長期運用では手数料差が大きく効く
価格変動リスクが比較的少ない教育費は「確実に使う時期がある」ため
純資産が大きい・実績がある安定性・信頼性の証拠になる

📌 教育資金には、「短期で倍にする」投資ではなく、「着実に増やす」投資がベストです。

🌟 人気の投資信託例(2025年時点)

ファンド名投資対象信託報酬(年率)特徴
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)全世界約0.05775%1本で世界分散が完結。王道の安定型。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド米国約0.0938%米国の優良企業500社に連動。成長性◎。
たわらノーロード 先進国株式先進国約0.1023%コストも低く、教育費向けに適した選択肢。

🧠 筆者のFP視点でも、「インデックス型+信託報酬の低さ」は鉄板の選び方です。

💬 「元本割れが怖い…」という方へ

教育費目的で投資を始めるなら、以下の2つを守ればリスクは大きく抑えられます:

  • 運用期間を3年以上確保すること
  • 毎月一定額をコツコツ積み立てる(ドルコスト平均法)

積立スケジュールと取り崩し時期の設計例

教育資金のために新NISAを活用するなら、「いつから積み立て、いつ取り崩すのか?」というスケジュール設計が非常に重要です。

ここでは、具体的なシミュレーションを通じて、教育資金向けNISA運用の現実的なスケジュール感を掴んでいきましょう。

📅 教育資金×NISA活用モデル(高校2年の親がスタート)

項目内容
現在子ども:高校2年生(16歳)
大学進学時期約2年後(18歳)
必要資金の目安約150万円(入学金+初年度学費)
積立開始今すぐスタート(月3万円)
積立期間24か月
想定利回り年利3〜4%(控えめ設定)
運用益込み想定額約75万円+数万円の利回り

📌 足りない分は貯金・奨学金・学資保険などと組み合わせる想定。
📌 「第1学年の学費負担」には十分貢献できる設計。

💡 積立設計のコツは「2〜3年前倒しで始める」

開始時期目安
中学生の親大学入学時までに5年以上確保 → 月1〜2万円でOK
高校1年の親約3年で積立 → 月2〜3万円必要
高校3年 or 大学在学中の親取り崩しを意識しつつ「成長投資枠+現金化」も検討

🧠 ポイントは「使う時期が明確=逆算できる」という教育費の特徴を活かすこと。

🔁 取り崩しのタイミングと注意点

  • 🟢 非課税期間中(5年 or 期間制限なし)に取り崩してもOK
  • 🟡 成長投資枠の場合は価格変動リスクに注意
  • 🔄 複数年にわけて少しずつ売却するのも◎(学年ごとの支出に合わせる)

奨学金との違い・併用戦略を考える

「うちは奨学金を借りればいいから…」

確かに、それも1つの選択肢です。ただし、NISAによる準備と奨学金には大きな違いがあり、両者を正しく理解し、計画的に併用することで家計負担を軽減できます。

🧾 奨学金とNISAの違い

比較項目奨学金新NISA
資金の性質借金(将来返済あり)自己資金(非課税で育てる)
利子無利子/有利子(種類により異なる)利益が非課税(増えた分もそのまま使える)
審査・条件所得や成績で制限あり制限なし(誰でも利用可能)
精神的負担返済が20年に及ぶ場合も準備しておけば返済不要で安心
活用タイミング子どもが受け取る親が計画的に準備・使える

📌 奨学金は「未来の子どもへの負担」
📌 NISAは「親の今の努力で備える安心」

💡 奨学金とNISAの“いいとこ取り”戦略

おすすめは、「自己資金でまかなえる範囲はNISAで準備し、足りない分だけを奨学金に頼る」スタイルです。

項目資金源メリット
入学金・初年度学費NISAで用意まとまった支出に即対応できる
在学中の生活費一部奨学金分割受け取りで家計をサポート
卒業後の返済負担最小限に子どもが将来自由に生きやすくなる

🧠 筆者のFP経験上、「子どもの奨学金返済に親が肩代わりする」ケースは意外と多く、事前準備が有効だと感じています。

まとめ|NISAは“子どもへの仕送り”を資産運用で実現するツール

「教育費をどう準備するか」は、すべての親にとって大きな課題です。

その答えのひとつが、新NISAを活用した“未来の仕送り”という発想です。

📌 本記事のまとめ

視点内容
🎯 教育費の山場大学進学後に大きな支出が集中
🏦 NISAの強み積立の柔軟性+非課税+引き出しやすさ
🧠 FP的視点投資信託は「増やす」より「守って備える」運用に向いている
📅 設計ポイント使う時期から逆算し、最低2〜3年の運用期間を確保
🤝 奨学金との併用「借りすぎない」ための一手として効果的

✨「貯める」ではなく「仕組みで備える」時代へ

貯金だけでは追いつかない時代。

教育資金という“目的が明確なお金”だからこそ、制度と仕組みを使って備えることができます。

✨「貯める」ではなく「仕組みで備える」時代へ

貯金だけでは追いつかない時代。
教育資金という“目的が明確なお金”だからこそ、制度と仕組みを使って備えることができます。

🔑 NISAは、親から子への「未来への仕送り」。
無理なく、でも着実に、その準備を始めませんか?

🔗 あわせて読みたい

X(エックス)でフォローしよう

おすすめの記事