
- 「夫婦でNISA口座をどう使い分ければ良いのか?」
- 「共働きだからこそできる資産形成の方法は?」
以前の記事では、共働き夫婦のNISA口座の分け方や収入別のリスク分散戦略に焦点を当てました。
しかし、今回はさらに一歩踏み込み、共働き夫婦が生活費を補填しつつ老後資金を効率よく貯める方法に焦点を当てて解説していきます。
特に、生活費の補填として配当金を活用する方法や、余剰資金を再投資して老後資金の積立を進める戦略など、共働き夫婦だからこそ活用できるNISA戦略を具体例で紹介します。
本記事のポイント:
- 生活費補填として配当金を受け取る方法
- 収入別・目的別に分けた老後資金の積立戦略
- 再投資で資産を減らさないための再分配プラン
収入があるからこそできる共働き夫婦のNISA戦略をマスターして、将来の安心資産を構築していきましょう!
共働き夫婦の生活費補填にNISAをどう使う?配当金&分配金の活用法
共働き夫婦は収入源が2つあるため、収入の一部を資産運用に回し、生活費の補填に充てることが可能です。
ここでは、NISAを活用して生活費を作る具体的な方法として、配当金と分配金の活用法に焦点を当てて解説します。
✅ 共働き夫婦が生活費補填にNISAを使うメリット
- 収入源が2つあることでリスク分散が可能:
- 夫婦の収入のうち、1つを生活費、もう1つを投資資金に回せる
- 生活費の一部を配当金でカバーすることで、余剰資金をさらに再投資できる。
- つみたて枠と成長枠を使い分けられる:
- つみたて枠:生活費の補填用の安定運用
- 成長枠:老後資金用のリスク商品で収益を狙う
✅ 共働き夫婦のNISA活用モデル例
📊 共働き夫婦Aのケース:月5万円の生活費補填を目指す場合
- 夫の収入:月30万円
- 妻の収入:月25万円
- 生活費:月30万円
- 余剰資金:月25万円
資金用途 | 商品 | 配分 | 収益率(年) | 生活費充当額 |
---|---|---|---|---|
生活費補填 | VYM(米国高配当ETF) | 200万円 | 4.5% | 月7,500円 |
教育費 | 国内リートファンド | 100万円 | 5.0% | 月4,166円 |
老後資金 | インデックス型投信 | 150万円 | 6.0% | 再投資 |
結果:
- 月7,500円+月4,166円=月11,666円を生活費に補填可能
- 老後資金分(インデックス投信)は全額再投資で資産増加を狙う
✅ 具体的な配当金&分配金の活用商品例
📉 1. 高配当ETF(VYM / HDV / SPYD)
- 米国高配当ETF(VYM):
- 配当利回り:4.5%
- 毎月の安定収益を確保しやすい
- HDV(高配当ETF):
- 配当利回り:5.0%
- 景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄中心
- SPYD(高配当ETF):
- 配当利回り:6.0%
- 配当金は高めだが、価格変動リスクも考慮する
📉 シミュレーション例:HDVを200万円分購入した場合
- 年利:5.0%
- 月間配当金:8,333円
- 年間配当金:100,000円
- 配当金の使い方:
- 生活費補填:50,000円(半年分)
- 残額50,000円は再投資
📉 2. 毎月分配型リートファンド(国内不動産投信)
- 国内リート(JREIT):
- 分配金利回り:5.0%〜6.0%
- 毎月の分配金で生活費を補填しやすい
- 価格変動が少なく、比較的安定した収益が期待できる
📉 シミュレーション例:国内リートファンドを100万円分購入した場合
- 年利:5.5%
- 月間分配金:4,583円
- 年間分配金:55,000円
- 配当金の使い方:
- 生活費補填:30,000円
- 残額25,000円は再投資
✅ 再投資戦略で資産を増やす
生活費補填として配当金や分配金を受け取るだけでなく、再投資で資産を増やし続ける戦略も共働き夫婦の強みです。
📉 再投資シミュレーション例:
- 配当金:月1万円
- 再投資利回り:5.0%
- 再投資期間:5年間
年数 | 再投資額 | 再投資収益 | 総資産 |
---|---|---|---|
1年目 | 120,000円 | 6,000円 | 126,000円 |
2年目 | 126,000円 | 6,300円 | 132,300円 |
3年目 | 132,300円 | 6,615円 | 138,915円 |
4年目 | 138,915円 | 6,946円 | 145,861円 |
5年目 | 145,861円 | 7,293円 | 153,154円 |
結果:5年間で約153,000円の資産が追加で積み上がる
まとめ
- 共働き夫婦は収入源が2つあるため、生活費補填+再投資の両立が可能。
- 高配当ETFやリートファンドの活用で、生活費の一部を配当金でカバーしつつ、
余剰資金を再投資することで資産の減少を防ぎながら増加を狙える。 - 生活費補填だけでなく、老後資金の積立も同時に進めることで長期的な安定資産を構築できる。
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老後資金を効率よく積み立てる再投資戦略|共働き夫婦の資産形成術
共働き夫婦は生活費を補填しつつも、将来の老後資金を効率よく積み立てることが可能です。
ここでは、収入の一部を再投資に回して老後資金を増やす具体的な戦略を解説していきます。
✅ 共働き夫婦が老後資金の再投資を進めるメリット
- 収入源が2つあるため、生活費をカバーしつつ余剰資金を再投資できる:
- 例えば、夫の収入を生活費、妻の収入を再投資に回すことで、
資産を増やしながら生活費の補填も同時に行える。
- 例えば、夫の収入を生活費、妻の収入を再投資に回すことで、
- 生活費補填用の配当金を一部再投資することで、長期的に資産が増える:
- 毎月の生活費補填として配当金を受け取りつつ、余剰分を再投資に回すことで元本の増加も期待できる。
✅ 再投資戦略の基本モデル
📉 ケース1:月3万円を再投資に回す場合(5年間のシミュレーション)
- 生活費補填用の配当金:月5万円
- 再投資額:月3万円
- 再投資商品:インデックス型投信(S&P500)
- 想定利回り:5.0%
📊 再投資シミュレーション:
年数 | 再投資額(月) | 年間再投資額 | 年利(5%) | 年間リターン | 総資産 |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 18,000円 | 378,000円 |
2年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 36,900円 | 774,900円 |
3年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 57,245円 | 1,192,145円 |
4年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 79,607円 | 1,631,752円 |
5年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 104,188円 | 2,095,940円 |
結果: 5年間で約209万円の資産を積み上げることができる。
✅ 再投資戦略に適した商品例
1. インデックス型投信(成長枠の再投資向け)
- S&P500インデックスファンド:
- 年平均利回り:5〜7%
- 米国株式市場全体に分散投資できるため、長期保有向き。
- eMAXIS Slim 全世界株式:
- 年平均利回り:4〜6%
- 世界中の主要株式市場に分散できるため、リスク分散効果が高い。
📉 シミュレーション例:S&P500ファンドを月2万円再投資した場合
- 年利:6%
- 再投資期間:10年
年数 | 月額再投資額 | 年間再投資額 | 年利(6%) | 年間リターン | 総資産 |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 20,000円 | 240,000円 | 6.0% | 14,400円 | 254,400円 |
5年目 | 20,000円 | 240,000円 | 6.0% | 73,202円 | 1,646,402円 |
10年目 | 20,000円 | 240,000円 | 6.0% | 196,086円 | 3,316,486円 |
結果: 10年間で約331万円の資産が積み上がる。
2. 高配当ETF(生活費補填+再投資向け)
- VYM(米国高配当ETF):
- 配当利回り:4.5%
- 配当金の一部を生活費に充当し、残りを再投資する戦略が有効。
- HDV(ディフェンシブ型ETF):
- 配当利回り:5.0%
- 生活費をカバーしつつ、再投資分で資産を増やす狙い。
📉 シミュレーション例:HDVを月3万円購入して再投資する場合
- 年利:5%
- 再投資期間:7年
年数 | 月額再投資額 | 年間再投資額 | 年利(5%) | 年間リターン | 総資産 |
---|---|---|---|---|---|
1年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 18,000円 | 378,000円 |
3年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 55,805円 | 1,173,805円 |
7年目 | 30,000円 | 360,000円 | 5.0% | 139,523円 | 2,929,523円 |
結果: 7年間で約293万円の資産が積み上がる。
✅ 再投資戦略のまとめ
- 共働き夫婦は生活費補填用の配当金を再投資に回せる余裕があるため、資産増加が期待できる。
- 再投資する際の利回りが高い商品(高配当ETF・インデックス投信)を選ぶことで、複利効果を最大化できる。
- 再投資期間を10年以上に設定することで、生活費補填+老後資金の積立が効率よく進む。
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